手探りイギリス滞在記

手探りイギリス滞在記

英語が苦手なのにイギリスに飛び出した人の備忘録

「ほなベッドバグやないかい」

こんにちは、Piyaです。

2021年7月頃、イギリスで年に数回だけ訪れる「暑い時期」がありました。基本的に夏も涼しく過ごしやすいのが魅力のイギリスですが、一週間ほどは暑くなります。冷房がないので窓を開けるしかないのですが、網戸がないので虫が部屋に入って来放題……という状況になり網戸のありがたさに気付いた人も多いはず。私も、部屋に死にかけの蜂が入ってきた時は悲鳴をあげました。

そんな暑い時期に起こったベッドバグ騒動をまとめようと思います。

(ベッドバグ=南京虫トコジラミとも呼ばれています)

 

 


 

「いきなりですけどね。オカンがね、最近虫に刺されまくったらしいんやけどその虫の名前をちょっと忘れたらしくてね」

「名前忘れるてどうなってんねんそれ」

「でまあ色々聞くんやけどな、全然分からへんねんな」

「分からへんの? ほな俺がね、虫の名前を一緒に考えてあげるから、どんな特徴言うてたかってのを教えてみてよ」

刺された跡が赤くなってめっちゃ痒いらしいねん」

「おー ベッドバグやないかい。その特徴はもう完全にベッドバグやがな。すぐ分かったやんこんなん」

「俺もベッドバグやと思ったんやけどな、部屋のどこにも特有の黒い跡が無いって言うのよ」

「ほなベッドバグと違うか〜。ベッドバグやったら確実に黒い粉みたいな跡があるもんね。ベッドの足やら壁やらが汚れて厄介なのよ。他になにか言うてなかった?」

「オカンが言うにはな、燻煙剤を炊いただけでは死なんらしいのよ」

「ベッドバグやないかい。一般的なダニやったらスモークで死ぬけど、ベッドバグは熱でしか死なんから厄介なのよ。マットレスに熱湯かけるわけにもいかへんし、アイロンのスチームでは限界があるからね。マットレスごと買い替えるのが一番なのよ。ほなベッドバグやそんなもんは」

「分からへんねんでも」

「何が分からへんのこれで」

「寝られへんほどの痒みではないらしいねん」

「ほなベッドバグと違うか。ベッドバグやと寝られへんほど強烈な痒みがあるからね。ぐっすり寝てるならベッドバグ違うと思うわ。他に何か特徴言うてなかった?」

夜によく刺されるんやけど、全然姿が見えへんらしいねん」

「ベッドバグやないかい。夜行性肉眼で見えるサイズやのに隠れるのがうまくてなかなか見つからへんのよ。」

「俺もベッドバグやと思ったんやけどな、刺された跡の刺し口が1つらしいねん」

「ほなベッドバグと違うか―。ベッドバグやと刺し口が2つある事が多いからね。1つの事もあるからはっきり言えへんのやけど。ほなもうちょっと何か言うてなかった?」

「しばらくしてから、全然見つからんかった茶色い虫を捕まえたらしいねん」

「ベッドバグやないかい。先言えよ。捕まえてもうてるんやから。俺が刺し口の説明してる時どう思っててんお前」
「申し訳ないよだから」

「もうええわ」

「ありがとうございましたー」




 

というわけでミルクボーイの漫才形式で書いてみました。

実際に体中を刺された時、ベッドバグだと認めたくなくて特徴を一つずつ検証していったのですが、ところどころベッドバグの特徴には当てはまらず……

最終的に現行犯逮捕したので渋々認めましたが、「ダニ? ベッドバグ?」と考えている時の脳内が完全にミルクボーイだったので今回文字に起こしてみました。

 

 

では、詳しい時系列を書いていこうと思います。

 

7月10日あたり

暑い日が続く。特に刺されず。

 

7月20日

イギリス、2度目の暑い時期。暑かったのでパジャマを半袖&ショートパンツに変更。肌が出ている面積が増えた瞬間、体中に赤い斑点が出来る。毎日新しい斑点が5個ぐらい増えて、とても痒い。蕁麻疹かな?と思う

 

7月25日

あまりにも痒いので病院を予約。バイト先のマネージャーへのストレスかな?と冗談を言っていた。

 

7月26日

日系の病院へ行く。虫説を否定してほしかった思いも虚しく「何の虫かは特定できないけど虫ですね」と言われる。家に帰って布団を洗ったり掃除機をかけたりする。休みが潰れる。

 

7月27日~

大家さんのお陰でベッドバグ用スプレーをGET。ベッドと部屋に噴射。しかしその後もしばらく刺され続ける。

 

8月4日

ついにバルサン的なものを炊く。部屋のものを全て出してマットレスと部屋のじゅうたんをもくもくにする。部屋中燻製のにおいになった。その前後に掃除機をかける。

 

8月5日

刺される

 

8月12日

また刺される

 

8月13日

小さい虫っぽいのを部屋で見つけてセロテープで捕獲。小さすぎて識別できない。ただのゴミ? まだ信じたくない気持ちが強い。

 

8月15日

今度は絶対に虫!!!!!!しかもベッドバグで画像検索したら出てくるやつ!!!!という虫2匹をセロテープで捕獲。すぐ外に持っていって熱々の熱湯を執拗に掛けてオーバーキルする。(恨みが抑えきれなかった人)

見た目が気持ち悪すぎて、吐き気がしてなかなか寝つけなかった。

↑ 当日の殺意高めのツイート(時差のため日付がずれています)

 

8月16日

現行犯逮捕の効果かしばらく刺されなかった。そろそろ大丈夫かなという頃に足の指を刺される。お家の人にまた刺されたことを伝えると、一緒に対策を考えてくれた。

 

8月17日

キャンプ用のエアーマットを借りる(中が空気なのでベッドバグが絶対入らない)

ちょっと安心感を得る。でもDuvetの方だったらどうしようと心配する。

 

8月19日

久々に時間があったので部屋の掃除。物を捨てて段ボールを処分(段ボールの隙間にいる事があるらしい)プラスチックのケースを買ってきて荷物を保護する。

左足の薬指を刺される。

ベッドバグはレモンやラベンダーのにおいを嫌うと知り、気休めにアロマディフューザーを買う。OLみたいだなと思う。

 

8月21日

外から帰ってきた時に荷物を未使用のごみ袋に入れるようにして、直接床と触れないように気を付ける。これまではパジャマをベッドの上に置いていたが、プラスチックケースを使うようにする。

 

10月1日

コロナとEU離脱によるドライバー不足の影響で全然届かなかった新しいマットレスが届く。久々にしっかりしたマットレスで眠れる嬉しさで爆睡する。

 

10月2日(余談)

あまりの気持ち良さで爆睡した結果、イベントの配信チケットを買っていたのに寝過ごして3000円をドブに捨てる。時差-9時間に合わせて6時起きは無謀だった。反省。

 

マットレスを替えてもらってから帰国するまでの1ヶ月&帰国後も刺されず。

こうして私のベッドバグ騒動は終わりました。長かった。

 

 

<ベッドバグの特徴まとめ>

・刺された一度目は痒くならない。二度目からアレルギー反応で強烈に痒くなる

25℃ぐらいの暖かさを好む。

熱でしか死なない。超厄介。アイロンのスチームだとマットレスの奥まで届かず効果が薄かった。

・血を吸ってフンをするので部屋に黒い汚れがある事が多い。

・一週間ぐらいで卵が孵って増える。繁殖力が強い。

無吸血でも2ヶ月ほど生きられるぐらい生存力が高い。

・刺し口が2つある事が多く、刺された跡がという形になる事がある。

・主に人間の血液を好むが、ネズミなどの小動物からも吸血する。

夜行性なので部屋を明るくして寝ると刺されにくい?(私は普通に刺されました)

ラベンダー、柑橘系などのにおいが苦手。ラベンダーはドライフラワーを使うと逆に虫が湧くことがあるので注意。

・段ボールの隙間などに卵を産むことがある

マットレスを替えるのが一番手っ取り早い

・小物など部屋にあるものは全て徹底的に熱をあてて殺虫するのを推奨。

 

<これらの情報からの推理>

・1回目の暑かった時期に刺される(自覚症状なし)→2回目の暑い時期にアレルギー反応が起きた

・1週間ほど刺されない時期があったり黒い汚れが見当たらなかったことから、ベッドバグの数自体はそんなに多くなかったと思われる

・住んでいたお家が築浅で密閉率が高かったのも繁殖の原因のよう

・周辺の工事の影響でネズミが出ていたのでネズミが運んだ可能性も……。 4人家族+私で住んでいましたが、私以外は誰も刺されていなかった

 

 

余談ですが、この頃バイト先で大量発生したコバエも殺しまくっていたので、バイト先の友達から殺虫マスターという異名を貰いました。嬉しくない。

 

私の場合は有難いことに大家さん夫婦が優しく、協力してくださったお陰でなんとかなりました。今回の騒動ではマットレス代を大家さんが負担してくださりました。海外だとベッドバグが出た場合は大家さん負担になるのが普通らしいですが、いつも家族のように接してくださった方たちだったので申し訳ない気持ちがありました……。また改めてお礼しようと思います。

 

というわけで、ベッドバグを持ち帰るとかなり消耗するので家に持ち帰らないよう気を付けてくださいね。刺される恐怖で眠れなくなるので。そして何度も、貴重な休みをベッドバグ対策で潰すことになります。ストレスがすごいので本当に持ち帰らないよう気を付けてください。

以上、私 vs ベッドバグの戦いの記録でした。

 

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